はじめに
TypeScriptはJavaScriptのスーパーセットで、静的型付けとクラスベースのオブジェクト指向を提供します。これにより、大規模な開発プロジェクトでのコードの品質と可読性が向上します。
この記事では、TypeScriptで文字列を数値に変換する方法について説明します。具体的には、parseInt
関数とNumber
関数を使用した変換方法について詳しく見ていきます。これらの関数はJavaScriptにも存在しますが、TypeScriptでは型の安全性を保つために特定の方法で使用する必要があります。
次のセクションでは、parseInt
とparseFloat
を使用した文字列から数値への基本的な変換方法を紹介します。その後、+
演算子を使用した変換方法、数値から文字列への変換方法、そしてこれらの変換方法の違いと注意点について説明します。
それでは、TypeScriptでの数値変換の旅を始めましょう!
文字列から数値への変換: parseIntとparseFloat
JavaScriptおよびTypeScriptでは、parseInt
とparseFloat
関数を使用して文字列を数値に変換することができます。これらの関数は、文字列を引数として受け取り、それを整数または浮動小数点数に変換します。
parseInt
parseInt
関数は、文字列を整数に変換します。この関数は2つの引数を取ります:変換する文字列と基数(オプション)です。
let str = "123";
let num = parseInt(str); // numは123
基数を指定すると、それに基づいて文字列が解析されます。たとえば、基数が2の場合、文字列は2進数として解析されます。
let str = "1101";
let num = parseInt(str, 2); // numは13
parseFloat
parseFloat
関数は、文字列を浮動小数点数に変換します。この関数は1つの引数、つまり変換する文字列を取ります。
let str = "123.456";
let num = parseFloat(str); // numは123.456
これらの関数は、文字列が数値で始まる場合に最も効果的です。数値で始まらない文字列を解析しようとすると、NaN(Not a Number)が返されます。
次のセクションでは、+
演算子を使用した文字列から数値への変換方法について説明します。それでは、次に進みましょう!
+演算子を使った変換
JavaScriptおよびTypeScriptでは、+
演算子を使用して文字列を数値に変換することもできます。これはparseInt
やparseFloat
とは異なる方法で、より短いコードで同様の結果を得ることができます。
let str = "123";
let num = +str; // numは123
この方法は、文字列が数値で始まる場合に最も効果的です。数値で始まらない文字列を変換しようとすると、NaN(Not a Number)が返されます。
また、+
演算子を使用した変換は、parseInt
やparseFloat
とは異なり、文字列全体が数値でなければなりません。つまり、”123abc”のような文字列を変換しようとすると、parseInt
は123を返しますが、+
演算子はNaNを返します。
let str = "123abc";
let num1 = parseInt(str); // num1は123
let num2 = +str; // num2はNaN
次のセクションでは、数値から文字列への変換方法について説明します。それでは、次に進みましょう!
数値から文字列への変換
JavaScriptおよびTypeScriptでは、数値を文字列に変換するためのいくつかの方法があります。ここでは、その中でも最も一般的な2つの方法を紹介します。
toStringメソッド
toString
メソッドは、数値を文字列に変換します。このメソッドはオプションで基数を引数として受け取り、その基数を使用して数値を文字列に変換します。
let num = 123;
let str = num.toString(); // strは"123"
基数を指定すると、それに基づいて数値が文字列に変換されます。たとえば、基数が2の場合、数値は2進数の文字列として表現されます。
let num = 13;
let str = num.toString(2); // strは"1101"
String関数
String
関数もまた、数値を文字列に変換します。この関数は1つの引数、つまり変換する数値を取ります。
let num = 123;
let str = String(num); // strは"123"
これらの方法を使用すると、数値を文字列に簡単に変換することができます。次のセクションでは、これらの変換方法の違いと注意点について説明します。それでは、次に進みましょう!
変換方法の違いと注意点
文字列と数値の間で変換を行う方法はいくつかありますが、それぞれには特性と注意点があります。
parseIntとparseFloat vs +演算子
parseInt
とparseFloat
は、文字列が数値で始まる場合に有効です。数値で始まらない文字列を解析しようとすると、NaN(Not a Number)が返されます。また、これらの関数は、文字列の先頭から数値を解析し、数値が終わったところで解析を停止します。つまり、”123abc”のような文字列を変換すると、123が返されます。
一方、+
演算子を使用した変換は、文字列全体が数値でなければなりません。つまり、”123abc”のような文字列を変換しようとすると、NaNが返されます。
toStringメソッド vs String関数
数値から文字列への変換には、toString
メソッドとString
関数があります。これらの方法は基本的に同じ結果を返しますが、toString
メソッドはオプションで基数を引数として受け取ることができます。これにより、数値を任意の基数の文字列に変換することができます。
注意点
これらの変換方法を使用する際の一般的な注意点は、変換が失敗するとNaNが返されることです。これは、変換が成功したかどうかを確認するためにisNaN
関数を使用することができます。
また、JavaScriptとTypeScriptは動的型付け言語であるため、型の変換は自動的に行われることがあります。これは便利な場合もありますが、予期しない結果をもたらすこともあります。そのため、型の変換は明示的に行うことをお勧めします。
以上が、TypeScriptでの文字列と数値の間の変換方法の違いと注意点です。これらの知識を持っておくと、TypeScriptでのプログラミングがよりスムーズになります。それでは、Happy coding!